SUPER IRNETについて (About SUPER IRNET)

本研究交流計画は、広視野近赤外線宇宙探査に携わる世界の研究活動を組織的かつ戦略的に取りまとめ、若手研究者を中心に我が国が世界をリードする道標を築くことを目標とする。そのため、我が国が誇るすばる望遠鏡の次世代装置群と、欧州宇宙機関(ESA)のEuclid衛星(2022年打上げ予定)、および、米国航空宇宙局(NASA)のNancy Grace Roman宇宙望遠鏡(2025年打上げ予定)に関わる研究者の相互交流を行う。

宇宙の果てには一体何があるのだろう?宇宙で初めて生まれた天体はどんな姿をしていたのか?宇宙はどのように進化して今私たちが暮らすこの世界が形成されたのか?これらの疑問は人類が宇宙における自らの存在意義を探るものであり、天文学・宇宙物理学が追い求める究極のゴールである。私たちの宇宙観は、宇宙の観測技術の進歩とともに形づくられてきた。我が国のすばる望遠鏡は、世界の大口径望遠鏡のなかでも屈指の広い視野と高い解像度を誇り、初期宇宙を広く・深く探査し、130 億年前の宇宙に存在していた多数の銀河やブラックホールを捉えてきた。そのデータから、宇宙誕生(138億年前)からわずか数億年の間に宇宙の構造形成と天体形成・進化のドラマが繰り広げられていたことも分かった。しかし、そのドラマの中身は未だ解明されていない。これまでの世界の広域宇宙探査は主として可視光域で進められてきており、宇宙膨張のために大きく赤方偏移した初期宇宙の天体の詳細を知ることが容易でなかったためである。可視光の観測では130億年より前の宇宙の姿を探ることができない。宇宙の果てを探り、天体形成の謎を解くには、宇宙誕生から130億年前までの宇宙を徹底的に探査する必要がある。可視光より波長の長い近赤外線で、大きく赤方偏移した天体の姿を探ることによってこれが可能となる。そして、天体形成のドラマが繰り広げられていた初期宇宙の全体像を捉えるためには、近赤外線観測の広視野化と高感度化が欠かせない。その鍵を握るのは、(1) 2020年代に打ち上げ予定のEuclid衛星/Roman宇宙望遠鏡とすばる望遠鏡の協調観測、(2) Euclid衛星/Roman宇宙望遠鏡よりもさらに長波長域の観測を可能にするすばる望遠鏡の次世代広視野補償光学システム(ULTIMATE)の実現、そして(3) 近赤外線広視野観測でユニークな性能をもつPRIME望遠鏡(阪大)やTAO6.5m望遠鏡(東大)などの大学望遠鏡を利用した先駆的な科学成果の創出である。世界最先端の宇宙望遠鏡と我が国の強力な地上近赤外線観測装置群の連携で、観測波長の壁を打ち破り、前人未到の宇宙を開拓することを目指す。本計画は、このための基盤となる国際的な研究者組織を構築するものである。

概念図 (Concepts)

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